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    <title>酉のこえも聞こえない孤島より</title>
    <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com</link>
    <description>酉のこえも聞こえない孤島より・小説更新情報</description>
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      <title> - 腹八分</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/1351/section/26247</link>
      <pubDate>Fri, 01 Mar 2024 18:22:00 +0900</pubDate>
      <description>トワダはひねくれていて、いつも小難しい事を考えている。僕は彼に比べれば素直で、いつもご飯の事を考えている。僕らはしばしば、一緒にご飯を食べる。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　トワダはひねくれていて、いつも小難しい事を考えている。僕は彼に比べれば素直で、いつもご飯の事を考えている。僕らはしばしば、一緒にご飯を食べる。

　店内には焼けたステーキの食欲をそそる香ばしい匂いが充満していた。それだけで白米を茶碗一杯食べられそうな良い匂い。そんな芳香剤があったら良いのにと、僕は本気で思う。
　でも、トワダは食べ物の匂いが嫌いだ。服に匂いが付くのも嫌がるし、腹が減っている時以外に匂ってくると気分が悪くなると言う。だからいつも、食事を終えるとすぐに店を出たがった。

「全くよく食うよ」

　６００グラムのステーキを平らげた僕を呆れ顔で睨みながら、トワダはまるで同じだけ食べたみたいに自分の鳩尾をさすった。僕には寧ろ少し物足りないくらいの量だったけれど、その分白米をたくさんかき込んだから無事満腹だ。
　お腹がいっぱいになった事を告げると、トワダは無関心そうに「よかったな」と言...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>01 - 良い週末を</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/941/section/17966</link>
      <pubDate>Sun, 30 Jul 2023 01:21:00 +0900</pubDate>
      <description>傷つくだけの報われない恋愛に疲れてしまってからは、職場の後輩への片想いごっこが日々の楽しみだった。絶対に叶わないだろう安全な片想いだったはずが、ある日を境におかしな関係に変わっていく……。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　週に一度の約束の夜は、週末の気怠さと高揚感をまぜこぜにして、淡々と更ける。その度に、胸が踊るような、後ろめたく逃げ出したいような、正反対の気持ちが入り交じって、美鶴はトイレから立ち上がるのに時間を要した。
　勿論、今更逃げるわけにもいかないし、本当のところ、逃げたいわけでもない。ただ、憂鬱でないと言ったら嘘だ。意味のない葛藤は、毎回の事。どちらにせよ、もうこの扉の向こうには｜芦立《あしだて》がいて、美鶴に逃げ場はない。

　美鶴は恐らく、彼に脅されているのだと思う。これはそういう、一方的に損を押し付けられる取引だ。都合良く実験台にされているという認識は美鶴にもあったし、きっとこの無意味な葛藤もそれに起因している。
　問題は、何もかも不本意だと思えない事。そこに自分の利益を幾分か、いや、実際のところ、大いに感じてしまっている事だ。この色気もへったくれもない逢い引きに、浮かれている。喜んでい...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>後編 - 僕が満員電車に乗る理由</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/946/section/17992</link>
      <pubDate>Tue, 04 Jul 2023 00:58:00 +0900</pubDate>
      <description>いつも通勤通学ラッシュの満員電車で大学へ通う奏大は、不運にも痴漢と間違えられてしまう。咄嗟にパニックになった奏大を助けたのはスマートな会社員・凪生だった。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　二日酔いでいつもより丸くなった顔をした北原と、対照的にすっかりアルコールが抜けきってスッキリしている奏大が駅で電車を待っていると、やはり程なくして凪生はやってきた。
　今日はベージュのチノパンに濃紺と青褐色のポロシャツ。ビジネスバッグを持っているから辛うじて出勤途中なのだと分かるが、クールビズとはいえここまでカジュアルなのは珍しい。それにしても相変わらず、腰の位置が高すぎやしないか。

「わ、足長！ モデル！？」

　二人がいつも通り挨拶を交わす傍から、ひょっこり顔を出した北原が上げた大きな声に、凪生は一瞬たじろいだ。しかし驚きながら「お？」と首を傾げる表情から、不快感を感じている様子はなくてほっとする。

「友達？」
「あ、こちら、僕の先輩です」
「どもー、後輩の家で宅飲みして雑魚寝した二日酔いの先輩です～」
「はは、どうも。仲良いんだね」

　二日酔いでもぺらぺらと出てくる軽口に、舌...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>前編 - 僕が満員電車に乗る理由</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/946/section/17991</link>
      <pubDate>Tue, 04 Jul 2023 00:57:00 +0900</pubDate>
      <description>いつも通勤通学ラッシュの満員電車で大学へ通う奏大は、不運にも痴漢と間違えられてしまう。咄嗟にパニックになった奏大を助けたのはスマートな会社員・凪生だった。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　週に二度、通学に使う満員電車で、｜奏大《かなた》はリュックを胸の前でぎゅっと抱き、つり革も掴めない中で目を閉じて、無意識にバランスを取りながら不安定な揺れに身を任せていた。
　最初は駅から続く人の波に圧倒され、ストレスでどうにかなるかもしれないとまで思ったが、それも段々と日常になり、茹だるような夏の盛りを迎える頃には、半ば寝ぼけたままで電車に揺られるのにもすっかり慣れている自分に驚く。
　ひとつひとつ新しい環境に馴染んでいくうち、目に見えた変化があるわけではないけれど、自分も大学生らしくなってきたと実感できているのが素直に嬉しい。
　それは他人にとってはごく些細で、喜びを感じるような事ではないのかもしれない。でも奏大にとっては大きな進歩で、良い兆候だった。
　幸と不幸は平等だ、なんていう俗説をほんの少し信じても良い気がしてくる。もし本当にそうなら、奏大にはきっとこれから良い事ばかりがある...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>卒業式 - 幽霊、時々</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/904/section/17850</link>
      <pubDate>Sat, 17 Jun 2023 02:28:00 +0900</pubDate>
      <description>映研部の準備室に居着く“幽霊”と出会った平田。 惹かれていく気持ちを自覚する中、もう一人の幽霊を見てしまう。 それは少女の姿をしていた（notホラー）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　結局、その答えは返してもらえなかったけど、気持ちを伝えたらなんとなく肩の荷が下りたみたいで、お腹の中で渦を巻いていたもやもやはずっと薄らいだ。
　でも心穏やかだったのはほんの僅かな間だけで、冬が深まっていくにつれて、今度は別の事で頭が痛くなってくる。
　先輩は三年だから、順当に行けばもうすぐ卒業。
　最初は、返事がもらえなくってもいいかって思ってた。先輩は俺を拒まなかったし、それってつまり、少なくとも俺を嫌いじゃないって事だと、前向きに考えられた。でも最近はそんな余裕もだんだんとなくなってきて、先輩を見る度何かにせっつかれるような不安な気持ちが、またぐるぐるととぐろを巻き始めた。

「はぁっ、最近、お前ちょっと……がっつきすぎ……っ」

　冬は金属のボロいオフィスデスクは冷たくてしょうがないって文句を言うから、近頃はあまり部室には行かない。もうすっかり先輩が俺の部屋にいるのが自然になって...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>お願い - 幽霊、時々</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/904/section/17849</link>
      <pubDate>Sat, 17 Jun 2023 02:27:00 +0900</pubDate>
      <description>映研部の準備室に居着く“幽霊”と出会った平田。 惹かれていく気持ちを自覚する中、もう一人の幽霊を見てしまう。 それは少女の姿をしていた（notホラー）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　制服デートしたいです。休みの日に。
　意を決してそう言ったら、先輩は呆れたように溜め息を吐いた。
　何でって聞かれたけど、制服デートはやっぱり憧れるでしょ。特に、俺みたいな”普通”じゃない人間はあんまりそういう事できないし、一度でいいから好きな人と、堂々と、カップルっぽい事してみたかった。先輩と俺がカップルと呼べない関係なのはわかってるけど、好きな人ってところはクリアしてるから問題ない。
　先輩はものすごくあからさまに、これでもかというほど嫌そうな顔をしていたけれど、やっぱり俺の“お願い”を断る事はできなかった。

「おはようございます」
「……よぉ」

　俺の目の前にいるのは、どっからどうみても一人の少女だった。声以外。
　綺麗に揃った黒髪のボブに、清楚な雰囲気のある灰色のダッフルコート。その裾から覗くのは、紛れもなく制服のスカートで、細っこい足の膝から下を黒いハイソックスが覆っている...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>理想と仮想 - 幽霊、時々</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/904/section/17848</link>
      <pubDate>Sat, 17 Jun 2023 02:27:00 +0900</pubDate>
      <description>映研部の準備室に居着く“幽霊”と出会った平田。 惹かれていく気持ちを自覚する中、もう一人の幽霊を見てしまう。 それは少女の姿をしていた（notホラー）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　共働きで両親の帰りが遅いと分かると、先輩は放課後、時々俺の家に寄るようになった。掃除もまともにしていない埃っぽい準備室がお気に入りなのかと思っていたけれど、実際はただ都合の良いヤリ部屋として使っていただけで、綺麗だしシャワーもあるって最高じゃんって、子供みたいにはしゃぐのがおかしかった。
　けれど、じゃあもう準備室なんて使わなくても、と言う俺を曖昧にはぐらかす先輩は、きっと保険を掛けておきたいんだろう。俺と切れても、また準備室が使えるように。俺がいなくっても、困らないように。
　俺はそんな先輩を引き止めておく術を知らないから、ひたすら先輩の望む事をする。脅しているのは俺なのに、俺が脅されているみたいに、必死で、馬鹿みたいだけど、ただ必死で。

「平田ぁっ、やだ、もぉ、やっ、くるし……！」

　後ろから押さえつけられて、震える背中は壮観だった。
　必死で身動ぎしようとしても、力じゃ到底俺に...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>もう一人の幽霊 - 幽霊、時々</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/904/section/17847</link>
      <pubDate>Sat, 17 Jun 2023 02:27:00 +0900</pubDate>
      <description>映研部の準備室に居着く“幽霊”と出会った平田。 惹かれていく気持ちを自覚する中、もう一人の幽霊を見てしまう。 それは少女の姿をしていた（notホラー）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　俺がもうひとりの幽霊を見たのは、秋も深まってコートが手放せなくなってきた頃だった。

　映研の皆と放課後、部活動の一環と言いつつただ単に見たい映画を見に行った帰り、空がすっかり濃紺に染まる頃、人通りの多い交差点で信号待ちをしていた。
　部員たちは映画についてあれこれ熱く語り合っていて、不真面目そうに見えて、やっぱり皆映画が好きなんだな、と、俺はぼんやり視線を彷徨わせながら適当に相槌を打つ。
　俺の頭の中ではもう、さっき見た映画の記憶は既に薄れ始めていて、それを塗り潰すように浮かんでくるのは、ここにはいない幽霊部員の事だった。
　――藤川さんも誘いましょうよ、って俺は言ったんだ。でも、誰も嫌だとは言わなかったけど、良いよとも言わなかった。俺は結局、声を掛けられなかった。

「あ～……うん、あの人も一応、部員だからなあ」

　そんな歯切れの悪さに俺は苛立ったけど、だからって何か言い返す事もで...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>準備室の幽霊と、ゲイでオタクの僕 - 幽霊、時々</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/904/section/17846</link>
      <pubDate>Sat, 17 Jun 2023 02:13:00 +0900</pubDate>
      <description>映研部の準備室に居着く“幽霊”と出会った平田。 惹かれていく気持ちを自覚する中、もう一人の幽霊を見てしまう。 それは少女の姿をしていた（notホラー）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　友達に誘われたから、映研に入った。映研とはいってもその実、皆で好きな映画やアニメのDVDを持ち寄って雑談したり、お菓子食べたり、好きなようにだらだらするだけの会だ。
　ブルーレイのデッキは当然予算が下りないから無理って事でまだ導入されてないけど、パソコンを繋げば最新のアニメもすぐ見られるし、大きなスクリーンと立派なスピーカーで好きなアニメのライブシーンが見れるなら悪くないと思ったから、入ることにした。
　活動なんてあってないようなものだから、日によって集まる面子も流れている映像もいつもバラバラだったけど、知らないものを見るのも新鮮で楽しかったし、何より時々選択権が回ってきたときは、好きなアイドルアニメの応援上映を再現できるのが最高だった。

「お前イケメンなのにアイドル好きなの？ 意外だなぁ」
「アイドルじゃなくて、二次元アイドルが好きなんです」

　これは本当。俺は画面の中でキラキラ輝...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>陽だまりの木陰 - 陽だまりの木陰</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/884/section/17565</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 20:13:00 +0900</pubDate>
      <description>小鳥遊匠真は役者を目指しているものの未だ芽が出ず、バイトに明け暮れる日々を過ごしていた。そんな中、バイト先で偶然知り合った“最上階の色男”との時間は、彼の唯一の楽しみだったが…//陽だまりの木陰（全年齢）</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ちゃんと生活できてるから、仕送りとかいらないっていつも言ってるじゃん、と、電話越しにきつく当たってしまった自分にうんざりした。
　今日はほんの少し、良い報告をしようと思って。それから、実家から食料の詰まったダンボールが届いたから、その御礼をしたかっただけだったのに、母の声であれこれ心配されると、嬉しいとか照れるとかより、居た堪れなくて、苛立ってしまう。
　いつもそうだった。
　それもこれも、自分が未だに無名の役者――にすらなれていない、役者ワナビーのフリーターだという後ろめたさのせいだ。
　この道を選んだのも、諦められずにずるずると五年も続けているのも、全ては自分の責任であって、常に母親の言う事が真っ当で正しいという事は痛いほど分かっているのに、つまらない見栄が、俺を素直じゃなくしてしまう。

　ぶっきらぼうに告げた御礼に、母は「健康に気を付けて」と、それだけ言った。
　それ以上何も望ま...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>後編 - 生者の棺</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/883/section/17558</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 15:40:00 +0900</pubDate>
      <description>眞宮と一課でバディを組んでから初めての殺人事件の捜査。浮き足だった新人を見守る伏美は、暗澹とした予感を抱いていた。※残酷な表現が含まれます。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　キッチンのシンクに腰を預けた僕の胸元で、広告のモデルみたいにすらりとした手が落ち着きなく漂っていた。ぐいぐいと隙間を埋めるように押し付けられる身体を受け止めようと、安定を求めて自然と開いた膝の間に眞宮の片足があり、もう一方の脚は僕の右足を挟んで、絡まって、逃げ場を塞いでいる。
　その勢いに仰け反らないようシンクに手を突いているうち、気付けばYシャツは肘の所まで落ちてくしゃくしゃになっていた。眞宮が僕の貸したトレーナーを脱いだのは、何度目のキスの後だったか、もう思い出せない。片手がとうとう堪えきれず、その肌に触れたのがいつだったのかも。そもそも、ひとつのキスの終わりがどこで、始まりがどこかすらも曖昧だった。
　吸いすぎて痺れた口を労って、つんと健気に差し出された眞宮のそれをそっと舌の裏で撫でていると、胸の上の手のひらには忙しなく力が籠もったり、物言いたげにのたうつ。

「は…ぁっ…とけそう...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>前編 - 生者の棺</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/883/section/17557</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 15:14:00 +0900</pubDate>
      <description>眞宮と一課でバディを組んでから初めての殺人事件の捜査。浮き足だった新人を見守る伏美は、暗澹とした予感を抱いていた。※残酷な表現が含まれます。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　心臓が止まり、体温が失せ、停滞した命の名残りがどろどろと濁ってゆく。
　死という引力に抗いようもなく引き寄せられて、逃れようもなく向き合わされるのは、その刹那の、圧倒的な生の自覚だった。
　いつしか恐れに全ての感覚が麻痺していくうち、ふとした時、何もかもが空っぽである事に気付く。
　手足もなく、口もなく、目もない。意識の塊には思考すらもない。ただ、空虚な魂が未だ存在している事に気付く。
　その気付きすら、透明な薄皮が一枚一枚剥がれ落ちるように、糸を引き抜かれ徐々に細っていく｜糸巻き《スプール》のように、緩やかに曖昧になっていくその先に、はっきりとした終わりはなかった。
　鼓動は、とうに止まっている。幕を閉じるブザーの合図も、シーンを切るクラッパーボードの音もない。無限の闇も、あふれる光もない。

　そうやって人は死ぬ。或いは、その人はそうやって死んだ。

　しかし稀に、何かしらの大きなエ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>07 shooting star - You're my...</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/882/section/17555</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 14:58:00 +0900</pubDate>
      <description>FPSゲームで知り合った声しか知らない高校生相手に、夜な夜なエロチャットする放蕩大学生の話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　スポーツができる奴はいつだってヒーローだった。
　だから、俺はヒーローだった。
　小学校の卒業文集で、将来の夢はスポーツ選手だって書いたのは、子供なりに、本当にそう願ってたんだ。
　でも、周囲からの期待や羨望の眼差しが消えた時、医者も、先生も、チームメイトも、両親も、みんな俺の滑稽な姿を遠巻きに眺めながら、ああ、こいつは終わったんだって、そういう目をしていた。
　――また、夢中になれる事を見つければいい。時間は充分にあるんだから。
　そう言ったのは、誰だったっけ。
　何が時間は充分にある、だよ。
　俺の今までは、今までの時間は、一体何だったんだよ。



　突然する事が何もなくなって、情熱もなくなって、暇を持て余す空っぽの毎日は想像していた以上に地獄だった。
　悲しいよりは、とにかく虚しいがいっぱいで、何にも考えたくないから何かしていたくて、行き着いたのがネットの世界だった。
　銃でも撃...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>06 sugar - You're my...</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/882/section/17554</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 14:50:00 +0900</pubDate>
      <description>FPSゲームで知り合った声しか知らない高校生相手に、夜な夜なエロチャットする放蕩大学生の話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ぴちゃり、ぴちゃり、と、身体をねぶる舌の感触は、想像を越えるもどかしさだった。
　夢中で胸にしゃぶりつく佑司の呼吸すら、肌に掛かる度熱くて、くすぐったくて、恥ずかしくて、色んなものを堪えるのに必死で。

「う、あ…あんま、強く吸うなって…い、て…っ」

　吸い付かれて肩を掴むと、余計に力が強くなった。
　痛いくらいなのに、ぬらりと絡みつく舌先が動く度、ぴりぴりとした刺激に間違いなく喜んでいる自分がいて、酷く混乱する。

「ごめん…可愛くて」
「反省してないくせに、謝んの、やめろ…っあ、っ」

　触るにしても何をするにしても、手加減がなさすぎてすっかり赤く腫れ上がってしまった。
　そのせいなんだろうか、いつもよりずっと感度がよくなっているのは。たかが乳首で、どうしてこんなに息が上がるのかわからない。

「あと…しつこい…ッ」

　いい加減耐え難くて額を押し退けると、まだし足りないと言いたげ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>05 order - You're my...</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/882/section/17553</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 14:42:00 +0900</pubDate>
      <description>FPSゲームで知り合った声しか知らない高校生相手に、夜な夜なエロチャットする放蕩大学生の話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　タイガさんの最寄り駅ってどこですか――って聞かれて、正直迷った。
　これが二人きりだったら曖昧に誤魔化していたと思うけど、メンバー達全員が聞いている手前、答えない理由が思いつかなくて、つい、ぽろっと言ってしまったのが運の尽き。

『えー近いんじゃない？』『会場まで同じ電車でしょ？』『一緒にくればいいじゃん？』『保護者がいれば俺達も安心だし、なあ？』

　――なんて、見事に司令塔をバックアップするメンバーの声に押し切られた。
　お前らさすが、チームワーク、最高だよね。そういうところ好きだけど、少しは俺の気持ちもバックアップして欲しい。俺だけ完全なるアウェイだ。
　そうやって社会人メンバー達が俺を信用してくれてる事が、今は後ろめたさで責め立てる針のむしろでしかないっていうのに。



　九月になっても、うなじを焼く日差しの強さは相変わらず鬱陶しかった。
　ホームの日陰に入っても蒸し暑さにうん...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>04 crush - You're my...</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/882/section/17552</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 14:39:00 +0900</pubDate>
      <description>FPSゲームで知り合った声しか知らない高校生相手に、夜な夜なエロチャットする放蕩大学生の話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[『タイガさん、すいません』
「皆やられちゃったかー。一人抜いた～」
『復帰まであと十五秒です』
「あー、二人目。戻ってくる頃にはフィールドに俺しかいないかも？」
『いいですねそれ。めちゃくちゃかっこいい。でもあと五秒です』

　こうやって、平気な顔をしてゲームができるのは、俺達が顔も知らない赤の他人だからだと思う。
　声だけの繋がりだからこそ、時々走るノイズみたいに湧いて出た好奇心に手を出して、現実では言えない事も、できない事も、させてしまう。

『向こうのスナイパー抜けます？』
「いいよぉ、ポジション変えるから他の敵は全部そっちでやって」
『じゃあ次の凸のタイミングで。しくじったらキルデス負けかな…』

　だけど会ってしまったら、きっともう無理だなって、確信めいた予感があった。
　俺はもともと、男が好きなわけじゃないし、性的な魅力を感じるわけでもない。
　都合よく自分の中で歪めた”ゆーじ...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>03 neighbor - You're my...</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/882/section/17551</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 14:37:00 +0900</pubDate>
      <description>FPSゲームで知り合った声しか知らない高校生相手に、夜な夜なエロチャットする放蕩大学生の話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　楽しいはずルーチンワークがどことなく味気ない。いつもゲラゲラ笑いながらするボイチャも、どこか冷めた気持ちで聞いていた。
　もやがかかったように気持ちが沈む一方で、頭の方は鮮明にひとつのことばかり思い浮かべて、それを忘れたくてゲームに熱中しようとしても、パソコンの前に座ると否が応でもフラッシュバックするのだからどうにもしようがない。

「はぁ」

　さっさとログアウトしてゲームを切り上げてしまったら、それしか趣味のない俺には他にすることもなく、だらりとデスクチェアに身体を預けて溜め息を吐くくらいが関の山だった。
　オフライン表示のままのアイコンを眺めてみても、それが点滅する事はない。
　ゆーじがログインしなくなって、たった三日。それだけで、こうなる。情けないというよりは、呆れた。
　――正気に戻れよ。いい機会だ。少し距離を置いて、そのまま元通り、そうすれば、すぐに何ともなくなる。こんなに落...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>02 Friend - You're my...</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/882/section/17550</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 14:36:00 +0900</pubDate>
      <description>FPSゲームで知り合った声しか知らない高校生相手に、夜な夜なエロチャットする放蕩大学生の話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　期末テストなんです、やばいんです、ゲームできないです、ごめんなさい。

　切羽詰った声で告げられて、思わずチームメイト達は苦笑した。
　勉強が苦手なゆーじに呆れていたわけじゃない。頼りになる司令塔の数少ない弱点に、皆つい微笑ましくなったんだと思う。
　こういう、ふと見せる子供らしさがやたら可愛い。だからゆーじは皆に好かれていて、一週間だけ休ませて下さいと呟いたか細い声に、冷たい返事をする人は誰もいなかった。

『まあまあ、学生は夏休みに入っちゃえばゲーム三昧できるんだし、頑張れ！』
『次の大会の予選は来週末からだし、問題ないっしょ』
『赤点取んなよ～、ファイト～』

　社会人プレイヤー達は、きっと自分たちも同じような経験をしてきたんだろう。
　大会を控えていて、本来なら練習に打ち込みたいだろうに、口々に歳下の司令塔を励ましてくれる気遣いは、同じ学生の俺としてもありがたい。
　テストとか懐...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>01 teammate - You're my...</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/882/section/17549</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 14:34:00 +0900</pubDate>
      <description>FPSゲームで知り合った声しか知らない高校生相手に、夜な夜なエロチャットする放蕩大学生の話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　真っ暗な部屋の中でも、ゲーム画面を映すモニターと、色とりどりに発光するゲーミングデバイスの明かりは煌々としていて、こうしていると時間の感覚を狂わされる。
　深夜は昼間のように目が冴えて、朝は深夜のように気だるい。そんな毎日を繰り返すのは不毛だとわかっていても、気が付くといつも外は明るくなっていた。

『タイガさん、C地点の防衛を。潰しちゃって』
「りょ～かい」

　FPS――所謂対戦型シューティングゲームにハマったのはいつからだろう。ネットゲームがどんどんと進化して、グラフィックにリアリティが増していくにつれ、俺はその世界に夢中になった。
　親からは「銃で人を撃つゲームなんて不健全だ」と言われるけど、俺はそうは思ってない。
　FPSはスポーツだ。作戦を練り、シミュレートを繰り返し、練習を重ねて、世界中のプレイヤーと勝敗を競い合う。敵の目を欺き、仲間と連携し、相手チームを打ち負かす。言葉に...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>だから僕はあなたを抱きしめたい - だから僕は</title>
      <link>https://susumejiro.kashi-hondana.com/author/page/881/section/17548</link>
      <pubDate>Tue, 06 Jun 2023 14:22:00 +0900</pubDate>
      <description>純也は女の子が抱けない。一度ならず二度までも失敗した。こうなったらもう偶然とは思えない。すっかり意気消沈した純也を励ましてくれるのは、数少ない友人であり憧れの先輩である深月だった。そしてふと考える。優しくて愛らしいこの先輩が、もし女の子だったら、と。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「はぁ…」

　頭がろくすっぽ働かない。現在進行系の講義の内容も、さっきから全然入ってこない。
　寝不足と、疲労――そして胸を焼くのは食欲も失せるような恋煩いで、他の物が入る隙間は生憎となかった。

「さっちゃん、なにあんにゅいな顔してんの～、喧嘩？ 喧嘩でもした？」

　お前、何ちょっとワクワクしてんだよ。
　食って掛かろうとして口を開いてから、思い直して首を振った。

「逆」
「逆ゥ？」
「幸せ過ぎて、しんどい」
「ハァ、そーっすか」

　楽しげな色をすっと消して真顔になった親友は、ただただ綺麗な横顔を教壇に向けている。
　薄情者め。もうちょっとノってくれてもいいじゃんか。ぶうぶう口を尖らせて肘で小突いても、てん――こと、天堂――はツンとしてこっちを見ようとしない。
　このやろう。僕が純也と恋人って既成事実を作って散々に浮かれたあの日、ロクに飲めないのに朝まで深酒に付き合ってくれた事、...]]></content:encoded>
    </item>
  </channel>
</rss>
